研究内容

水熱合成法による種々の半導体ナノ粒子の作製
半導体ナノ粒子の光学特性の温度依存性
ナノ粒子積層構造の作製と光学特性
半導体ナノ粒子間のエネルギー移動メカニズムの解明
局在表面プラズモンを利用した発光増強・消光の制御
ナノ粒子規則配列構造の作製とナノ粒子間共鳴相互作用

水熱合成法による種々の半導体ナノ粒子の作製

米国MITのBawendiグループによる1993年の報告以来、液相法による半導体ナノ粒子の作製はhot-injection method(日本ではホットソープ法と呼ばれている)が主流となっている。
我々はそれとは一線を画し、水熱合成法により様々な半導体ナノ粒子の作製に取り組んでいる。

主な関連論文

半導体ナノ粒子の光学特性の温度依存性

液相法により作製された半導体ナノ粒子の光学特性に関する研究は、溶液試料を用いた室温での測定が主流であり、温度依存性を調べた研究は少ない。しかしながら、半導体ナノ粒子における真の発光メカニズムを解明する上で、光学特性の温度依存性を系統的に調べることは極めて重要である。発光メカニズムの解明は、半導体ナノ粒子の新規発光材料への応用の観点からも非常に重要であると我々は考えている。

主な関連論文

ナノ粒子積層構造の作製と光学特性

液相法で作製したナノ粒子は溶液中に分散しているため、デバイス応用のためには、溶液からナノ粒子を取り出し、基板上に均一に成膜する必要がある。一般的にドロップキャスト法やスピンコーティング法が用いられる。それに対し我々は、Layer-by-layer法や自己組織化単分子膜を利用することにより、基板上にナノ粒子を1粒子層ずつ積層すること、さらにはナノ粒子層間の距離を1nmの精度で制御することに成功している。

主な関連論文

半導体ナノ粒子間のエネルギー移動メカニズムの解明

半導体ナノ粒子間のエネルギー移動に関する研究が盛んに行われており、これは近接したナノ粒子間の相互作用という観点から非常に興味深い課題であると我々は考えている。先行研究では、有機分子間のエネルギー移動機構として有名な「フェルスターモデル」を前提に、ナノ粒子間のエネルギー移動が説明されている。我々はLayer-by-layer法により層間距離を1nmの精度で制御したbilayer構造を作製し(下図)、エネルギー移動ダイナミクスの層間距離依存性や温度依存性の研究から、ナノ粒子間エネルギー移動メカニズムの解明に取り組んでいる。

主な関連論文

局在表面プラズモンを利用した発光増強・消光の制御

これまで、金や銀などの金属ナノ粒子に光を照射することにより誘起される局在表面プラズモンを利用した半導体ナノ粒子の発光増強に関する研究が盛んに行われてきたが、発光増強が観測されたという報告と消光が観測されたという報告が混在している。我々はLayer-by-layer法により、金属ナノ粒子と半導体ナノ粒子のbilayer構造を作製し、 発光増強・消光メカニズムの解明とその制御に取り組んでいる。

主な関連論文

ナノ粒子規則配列構造の作製とナノ粒子間共鳴相互作用

半導体ナノ粒子に関する従来の研究は、マトリックス中などに分散したナノ粒子、もしくは分子線技術を用いた基板上への成長などにより作製された試料を対象に行われてきた。そのようなナノ粒子がランダムに分散した状態に比べて、ナノ粒子が規則的に配列した超格子構造においては、ナノ粒子間相互作用に基づいた新たな物性、光機能性の発現が期待できる。我々は、ナノ粒子規則配列構造の作製とナノ粒子間共鳴相互作用メカニズムの解明、さらには新規機能性の発現に向けて研究に取り組んでいる。

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